2010年11月17日水曜日

asahi.com(朝日新聞社):環境が過酷であるほど、人は依存的になる――「ネズ ミの楽園」実験 - 勝間和代の人生を変える「法則」 - ビジネス・経済- 勝間和 代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!

asahi.com(朝日新聞社):環境が過酷であるほど、人は依存的になる――「ネズミの楽園」実験 - 勝間和代の人生を変える「法則」 - ビジネス・経済- 勝間和代公式ブログ: 私的なことがらを記録しよう!!.


カナダの心理学者、ブルース・アレグザンダーは、「ネズミの楽園(Rat Park)」という実験を行いました。

ネズミを、理想的な環境で育てられたものと、ケージ(かご)に閉じ込めて育てられたものの二つのグループに分け、それぞれにモルヒネ入りの水を与えた場合、どちらが依存症になりやすいか調べたのです。

それまでの実験では、ネズミなどの動物は、自分を傷つけたり、餓死したりするようなことがあっても、薬物そのものの魅力が強いために依存症になるのだと 考えられていました。しかし、「ネズミの楽園」実験ではまず、動物は、環境が過酷であればあるほど薬物依存になるという仮説を立てたのです。

この仮説は結果的に立証されました。理想的環境で育てられたネズミはほとんどモルヒネに興味を示さなかったのに対し、閉じ込められた環境のネズミは簡単 に中毒になりました。また、理想的環境に置かれたネズミは、いったん中毒になっても、簡単にそこから抜け出せたのに、過酷な環境のネズミは依存から脱却で きませんでした。

日本でも、大阪大学の幸福度調査で、たばこを吸う人は、統計的に不幸だと感じていることが明らかになりました。これはたばこを吸うから不幸なのではなく、不幸だからたばこに頼ると言えるのかもしれません。

すなわち、私たちは、薬物のマイナスの効果を十分に知りながら、そのプラスの効果にあらがいきれずに薬物依存になるわけです。プラスの効果の大きさは個々人の環境によって異なり、より過酷な環境に置かれている人ほど、大きくなります。

したがって、何かの依存症を治療するには、どのような環境要因がそれに向かわせているのかを分析、改善しない限り、再発する可能性が高いわけです。

私自身も30歳過ぎまで、たばことお酒に依存していました。それを断つことができたのは、ワークライフバランスを整え、かつ、人間関係を見直して、過重な労働やストレスから逃れたからだと、いまとなっては振り返ることができます。

自分自身がなぜ、依存症に陥ってしまうのか、依存により何から逃げているのか。自己分析する必要があることを、この実験は教えてくれています。

(経済評論家・公認会計士)

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